バチカン市国 |
|14:00
バチカン博物館の入口に来た!
個人客の窓口は午前中は混雑するという情報があり、昼の二時になればそれなりに空(す)くだろうと期待したが、来てみれば空くどころか、個人客の窓口には誰も並んでいない。
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館内はフラッシュを焚かなければかなり自由に写真を撮ることができる。展示の数があまりに多く、どこで何を見たかはすでに混沌として整理がつかないが、紋章や壁画の写真なら多少残っているので、以下に何枚か紹介したい。
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|16:40
見学終了! 入館してからシスティナ礼拝堂を出るまで、およそ1時間40分。その間、どこをどう曲がってどう歩いたか、上階に上ったり、また下りたりと、終わる頃にはもう見飽きた感じが残るくらいの膨大なコレクションだった。
日本で下調べをしていれば、価値がわかったかもしれない。しかし、とても一点一点丁寧に鑑賞できる量ではなく、このような巨大な博物館では、むしろ自分の感覚を頼りに、いいと感じたものをじっくり見ることが素人にとっての正しい鑑賞法だという気がする。
博物館の片隅に郵便局があった。
地下鉄駅のほうから歩いて来れば、ここは普通にローマ市内である。館内は英語が中心だし、通貨はユーロなので、なおさらそう感じる。しかし、ここはカトリックの総本山、バチカン市国である。独立した郵便システムがあり、バチカン市国の切手がある。
膨大な展示を見て高ぶった気持ちを石の段差に座って冷ましながら、絵はがきをゆっくりと二枚書く。窓口で買っておいた切手を貼り、横のポストに投函する。
バチカンのハイライトにはもうひとつ、聖(サン)ピエトロ大聖堂がある。
しかし、本当に残念ながら、美術や建築はもうこれ以上、心のなかに入っていきそうになく、おまけに気づかないうちに集中して見ていたのか、体の疲労感が甚だしく、これからまた人類の遺産と対峙するだけの余力は残っていない。
太陽が西に大きく傾いた聖(サン)ピエトロ広場で写真を撮り、せめてもとバチカンの空気にしばし浸った。