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ラオス街エッセイ
4(あなど)れないパトゥーサイ ■ 
 はたしてどういう意味か、アヌサーワリーという複雑な名前からして印象が薄かったが、実際、グレーの地味な建物というのが前回見たときの率直な感想だった。いまはパトゥーサイに名前を変えている。凱旋門という意味らしい。
 滞在後半になるまで訪れなかったのは、そうしたぱっとしない印象が記憶に残っていたからだった。町の中心部から近づいていくと、たしかに薄汚れた灰色の建物がただ突っ立っているようにしか見えない。

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やや離れた場所から

 壁のくすみを消してみたくて、写真をモノクロモードで撮ってみる。多少は立派に見えるだろうか。

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モノクロモード

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モノクロでもう1枚

 ところがどっこい、である。
 門を抜けると噴水とベンチがあり、ちょっとした憩いの広場になっている。観光客が記念写真を撮ったり、ビエンチャンっ子らがベンチで休んだり、人びとが思い思いに過ごす。外国人に見せるための歴史的な記念碑ではなく、いまを生きる地元民が気楽にくつろぐ場所になっている。
 そんな自由で開放的な空気がとても心地よかったので、私も周囲の写真を撮りながらしばらく夕風に吹かれた。

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記念撮影のリア充

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開放的で自由な空間

 ベンチで休んだり写真を撮ったりして気ままに過ごしていると、あっという間に空が黄昏れる。

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飛行機雲と凱旋門

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普段着の親子連れ

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刻々と色を変える夕焼け

 日が落ちるとライトアップされる。黄色いランプがかなり効果的だ。

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夜目、遠目、傘の内、みたいな

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光のイリュージョン

 黄昏のパトゥーサイは化粧が見事で、ファンタジックでさえあった。

(2013.2.02 記,6.30 書き直し)