6/13(土)8時前 ◇ 朝ごはんの店を探しがてら散歩に出る。昨日列車でブダペストに着いたあと、午後のバスでこの町ベスプレームに来たのだった。
土曜日の朝8時に開いている店がはたしてあるだろうかと、7割くらい諦めの気持ちで商店通りを歩いてみる。ベスプレームのような小さな町で商店がずらりと並んでいるのは、おそらくここだけだろう。つまり、この道がメインストリートだ。路面は灰色のタイルがびっしりと敷かれ、道幅は30メートルほどもある。大人がダッシュしても数秒はかかるだろう。
通りの終わりが近づき、やはり開いている店はなかったかと諦めかけた頃、角に1軒のパン屋が開いているのを見つけた。近づいて中をのぞくと、なんと、窓際にストールが4、5脚並んでいる。イートインできそうだ。
近くの店の従業員が出勤前にでも買いに来るのか、地元客がぱらぱらと来店する。私は先客が終わるのを待ち、チーズがかかった「め」の字型のパンとアメリカンコーヒーを頼む。パンはプレッツェルに見えたが食べてみると塩味はなく、あまり味がしなかった。
コーヒーはアメリカンを頼んだつもりだった。待っている間に会話集を開いて確認した〈ホッスー・カーヴェ
〉(
hosszú kávé)は店員に通じたが、その定義は店によって違うのか、コーヒーが半分だけ入ったカップと、たっぷりのミルクが出てきた。アメリカンではなかったが、朝にミルク多めのカフェオレはむしろありがたかった。
パン屋カフェ
カップ半杯のコーヒーとミルク、そしてパン
参考データ
店名:Lipóti Pékség (és Kávezó)
※店名についてる és Kávezó は “and café” の意味。
住所:Kossuth Lajos u. 8, Veszprém
値段:上の写真のパンとコーヒーで440 HUF(約200円)
前日(金)18時すぎ ◇ 商店通りの目立つ場所に郵便局があった。近づくと、この時間でも開いていた。見た目はいくらか古びてはいるが、平日は夜7時か8時まで開いていて、郵政業界の心意気を感じる。
絵葉書を売っていないか、扉を押して中に入る。窓口前のスペースに、何種類かの絵葉書が回転棚に刺さっていた。2枚を選び、ついでに切手を買うことにする。入口に戻り、番号札を発券しようと発券機を見ると、マジャール語
(ハンガリー語)しか書かれていない。
中年の夫婦づれが番号札を発券したタイミングをつかまえ、手に持った絵葉書を見せながら〈ベーイェグ
〉(
bélyeg、切手)と言ってボタンを指し示す。奥さんが意図を了解してくれ、4番を示した。
切手はスムーズに買うことができた。窓口では料金の支払いで頭がいっぱいだったが、手にした切手を改めて見ると、絵葉書1枚分が340フォリント。日本円で150円もする。日本の倍もすることに驚いた。
コッシュート・ラヨシュ通りの郵便局