プリズレン3日目です。朝食のあと、デチャニに向かいます。修道院の訪問は
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土曜の朝食
8時すぎなぜか早朝に目が覚める。多少のだるさはあるが、体調というより運動による心地よい疲労。
朝メシのためにロビーに降りるも無人。昨日はトルコ人のグループがロビーで食べていて、おっちゃんがコーヒーか紅茶を入れてくれたのに。今日は客がいないからか、それとも土曜日はいつもこうなのか。
そういえば、チェックイン時の説明のときに左のドアを指差していたのを思い出す。本来はロビーではなく隣の部屋で食べるのだ。開いたドアの奥をのぞき込むと、そこは部屋ではなく、地下に下りる階段だった!
階下はどうやらキッチンの雰囲気。何やら隠し部屋めいている。降りてみると、メイド部屋らしき部屋でおばさんが何やら作業中だ。Breakfast? と問えば、何もない台所を指差しながら「そこ」みたいな無愛想さ。昨日との落差に驚きながら台所に行く。
ダイニングキッチンだった。テーブルはわずかに2脚。朝メシは? と思ってよく見ると、シンクの脇にパンの袋が置かれている。シンクの下を勘で開けると皿。冷蔵庫にはバターとジャム。引き出しにはスプーンやフォーク類。ふむ、パンと食器はたしかに一通りそろっている。
しかし、電気ケトルがない。飲み物はロビーのカフェ設備で用意するという仕組みか。いずれにせよ、今は誰もいない。とりあえずパンをおいしく食べた。
今日の朝食
昨日の朝食
宿替え
9:15フロントが無人で荷物を預けられないので、荷物ごと今日の宿に来た。6回目の最後に書いたが、昨日直接ここに来て今晩の宿を予約したのだった。Oltasという宿。
荷物を預けたいとジェスチャーで示すと、おばさんは外にいる旦那さんを呼ぶ。主(あるじ)はドイツ語が達者のようだが、私はほとんどわからない。予約をしていると言いたくて、Ich have eine Reservazion. と言ってみたが、じつは Reservazion なる単語はドイツ語にはない。正しくは Reservierung であることを後で知った。
それでも通じたようで、名前を聞かれて、上に行けという仕草。どうやら朝から部屋に入れるようだ。
案内されたのは2階の1号室。明るくて気持ちのいい角部屋だ。今朝までいたCity hostelのバストイレ共同シングルが18ユーロで、バストイレ付きの明るい角部屋が20ユーロ。わずかに2ユーロ、300円ほどの違い。コストパフォーマンスの差は歴然としていた。
✧宿 20
Otlasの角部屋
外出しようとフロントに下りると、インスタントながら熱いコーヒーを出してくれる。なんと親切な!
デチャニへ
昨日は疲れがたまってきたので、遠出を控えて市内を回ったのだった。今日は満を持して(?)のデチャニ参詣である。
コソボには中世から存続する主要なセルビア教会が3か所ある。そのうちグラチャニツァ修道院とペーチ総主教修道院はすでに訪れた。プリズレンの廃堂も昨日訪れた。残るは真打ち、デチャニ修道院だ。すでに見た2堂が立派だっただけに気持ちが高ぶるが、期待しすぎると蹈鞴(たたら)を踏むことになりかねない。気持ちの置き加減がなかなかむずかしい。
9:45バスターミナルに到着。2番ホームのバスに乗る。
10:00定刻に発車。
デチャニは、ここプリズレンからペーヤに行く途中にある。ペーヤ行きのバスに乗れば1時間半だが、本数が少ないためジャコーバで乗り換えになる確率のほうが高い。このバスもジャコーバ行きである。
✧バス 2.50(〜ジャコーバ)
11:25ときどき停まったわりに1時間ちょっとでジャコーバに到着。ペーヤ行きのバスに乗り換える。
✧トイレ 0.20
11:40にわか雨が降ってきた。コソボに来てから多くの日光を浴びているので、今日はむしろこのくらいでいいかもしれない。
バス代を払うとき、車掌に Më thoni në Deçan.(直訳:デチャニで私に言ってください)と出まかせを言ったら、うなずいてくれる。バスの人も心得ているのだろう。
✧バス 1.50(ジャコーバ→デチャニ)
デチャニ
12:10ジャコーバからほぼ40分で到着。バスが停まったので前まで行って確認すると、まだだと制止される。少し走ったロータリーの先で再び停車。さっきの停車位置からは歩くとけっこうありそうなので、制止してくれた運転手と車掌に感謝。
すでに昼メシの時間だった。目の前の店で doner samun。「samun」の単語はこの手の軽食屋のメニューでよく見るが、どういうものか、いまだによくわからない。経験的には、分厚い丸いパンに挟む、でかいハンバーガーもどきの総称ではないかと予想している。
おっと、昼メシの値段がメモされていない……。水とあわせて3ユーロくらいと思うが。痛恨。
昼食の doner samun
◊ 長くなりそうなので、一旦ここで区切ることにします。