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コソボ日記
--- Days in Kosovo
2014.5.20tue.5.25sun.
9. プリズレンの夜 2
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町はずれの橋のたもとで
icon2014年 5月23日(金)
 プリズレン2日目の夕方です。午後に丘の中腹まで登って疲れたので、少しゆっくりめに過ごします。
iconプリズレン
 川が流れる町
 16:35救世主教会から坂をずんずん下って川岸まで下りる。午後遅い時間は日差しも弱まり、橋の上を心地よい風が渡っていく。
 プリズレンの魅力の源は川にあると思う。多摩川や淀川ほど大きくなく、たとえば京都の鴨川のように、つい足元を流れ、それでいて町を二分して存在感を示す。川に沿ってぽっかりと空間が空き、そこに個性のある橋が架かる。
 余談ながら、川の名前はこれまでルンバルジ川と書いてきたが、これはアルバニア名である。最後の「ジ」は “dhi” の片仮名表記だ。一方、同じ川がセルビア語ではビストリツァになる。まったく違う名前だが、同じ川である。まるでアルバニア人とセルビア人の距離の遠さを象徴している。
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ルンバルジ川/ビストリツァ川と石橋
 休 憩
 橋の上でぼんやり川を眺めていたら間近で夕方のアザーン(礼拝の呼びかけ)。プリズレンを代表するシナン・パシャ・モスクがすぐ橋のたもとにあり、アザーンはそこから流れてくる。そういえば今日は金曜礼拝だ。最重要の集団礼拝は正午すぎの礼拝であるらしく、それはすでに終わっているが、コソボは「ゆるイスラム」ゆえに金曜日は平日だ。なので、夕方に来る人も多いのではないかと勝手に推測してみる。
 モスクの前まで来て観察していると、女性も入っていく。モスクは女人禁制とばかり思っていたが、どうやらイスラム自体にそのような決まりはないようだ。
 16:45汗をかいてノドが渇いたので、ガス入りのミネラルウォーターでも。Ice Cafe Europaという向かいのカフェに入ると、ガラスケースにいろんなケーキが入っている。ケーキという柄ではないので、ガラスカップに入ったプリンのようなスイーツを頼む。
 ガス入りのミネラルウォーターを飲みながらモスクの入口をぼんやり眺める。アザーンから15分以上経っているが、まだぱらぱらと人が入っていく。
 スイーツは米を甘く煮た粥のようなもの。はっきりとは思い出せないが、東南アジアに広くある気がする。カロリーと水分の摂取で即効性の休養になった。
スイーツ 0.70
ガス入りミネラルウォーター 0.50
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甘く煮た米のスイーツ
 散 策
 当てもなくぶらぶら歩くうちにバスターミナルまで来る。せっかく来たので、時刻表を眺めてスコピエ行きの時刻を確認する。そこで1人の若者が声をかけてきたので、スコピエ行きの時刻を探しているのだと英語で説明する。スコピエはアルバニア語で shkup(シュクップ)という。若者が指差す先にその時刻があった。スコピエとシュクップは語源的に共通していそうだが、字面がかなり違うので慣れないと戸惑う。
 親切はそれで終わらず、近くの人に何やら確認してくれている。聞けば、ここに書かれている時刻は平日のもので、週末は運行がないという。彼は Friday の単語が思い出せず、Monday to … と言ったきり口ごもってしまうが、言わなくても十分にわかる。週末の運行についてはまさに知りたいことだったので、神タイミングだ。ありがとう!
 バスターミナルからほんの数分の場所にある、新しめの建物に、Meridian Expressというスーパーが入っている。入口で電気系統の工事をしていたが、普通に営業していた。どこにでもあるコンビニ風スーパーだが、昭和風情の古都プリズレンで見ると、京都の祇園の交差点にある有名コンビニのような鮮烈さを感じる。ヨーグルトと菓子を買う。
ヨーグルト 0.39、菓子 0.29
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きれいめのコンビニ風スーパー
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バスターミナルに続く道
 宿に一度帰って買った物を置き、レストラン探しに出る。
 先に郵便局に行って切手を買う。ここではなぜか絵葉書1枚当たり50セントだ。バスターミナルの郵便局では70セントだった。局によって売る切手が違うのは中国でも経験がある。おそらく所定料金の組み合わせがなく、在庫の切手を組み合わせるためだろう。
切手 0.50×2=1
 晩ご飯
 プリズレン(に限らないかもしれないけど)の飲食店は、ピザ屋とケバブ・サンド屋の区別はあるが、レストランに分類がない。以前に訪れたイランもそうだったが、たとえばケバブのように肉を焼くだけの料理が中心で、いろんな食材を煮込んだり炒めたりといった手の込んだ料理がない。もしかしたらあるのかもしれないが、少なくとも外国人がわかる仕組みがない。
 どのレストランもせいぜい店名が書かれている程度で、外から見てもどういう料理を出す店か判然としない。ランチのところでも書いたが、プリズレンの中心部にはレストランの類はけっこうあるのに、客はどうやって店を決めているのだろう。
 肉の焼き物を連日食べても飽きるので、昨日と同じ店でマカロニ・ボロネーゼとペーヤ・ビールを。マカロニはいい固さだったし、ミートソースもうまかった。ビールは度数4.2%とはいえ、小瓶1本飲んだら軽く酔う。
マカロニとビール 3.50
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今日の夕食
 20:05おっと、ここで日没後のアザーン。
 21:55宿に戻ってまずシャワー。
 22:00夜のアザーンなり。この部屋にいるとそれほど大きくは聞こえない。これだと、熟睡していれば早朝のアザーンはたしかに聞こえない。
 昨日は残金チェックをさぼったので、今日は記録しておく。
― 今日の締め ―
ユーロ残:財布75€、コイン5.20 €
〈表記対照表〉 ア=アルバニア語、セ=セルビア語
ボタンア〕ルンバルジ Lumbardhi セ〕ビストリツァ Бистрица, Bistrica
〈関連リンク〉
ボタンPrizrenska Bistrica(英語版ウィキペディア)
(2014.7.02 記)