まぎらわしいラオ文字
文字の宿命なのか、形が似ていてまぎらわしい文字の1つや2つはどんな言葉にも存在しますね。このページでは、ラオ語のそういう文字について整理します。
文字の宿命なのか、形が似ていてまぎらわしい文字の1つや2つはどんな言葉にも存在しますね。このページでは、ラオ語のそういう文字について整理します。
*英字転写:『ゼロから話せるラオス語』(吉田英人、三修社、2012年)の方式に従っています。
※ 表示環境:最近のOSにはラオ文字のフォントが付属していると思いますが、もし文字化けするようでしたらUnicodeのラオ文字フォント(Saysetthaなど)を探して入れてください。
〈まぎらわしいラオ文字〉
低中高子音字の表示:発音記号のバーの位置で示します。
下バー付き:低子音字 バーなし:中子音字 上バー付き:高子音字
低中高子音字の表示:発音記号のバーの位置で示します。
下バー付き:低子音字 バーなし:中子音字 上バー付き:高子音字
ຂ [kh], ຊ [s]
右:垂れ下がっているのが低子音の[s]です。
ສ [s], ລ [l]
左:さっと巻き上がっているのが高子音の[s]です。
ຍ [ɲ], ຢ [y]
左:[ɲ]はニャ行の音です。右:右手を伸ばしているのが[y]です。
ນ [n], ມ [m]
左下に丸がないのが[n]、あるのが[m]です。んとむの違いに似ています。
ບ [b], ປ [p]
ຝ [f], ຟ [f], ຜ [ph], ພ [ph]
右に突き出ているのが[f]、左右の高さが等しいのが[ph]です。
丸の向きは内高外下、すなわち内向きが高子音、外向きが低子音です。
ທ [th], ຫ [h]
ຣ [r], ຮ [h]
くるっと丸いのが[r]、はためいているのが[h]です。
ວ [w], ອ(無音)
〈ອ〉は母音の前に書かれる区切り文字です。母音符号にも使われます。
母音符号 ○ິ, ○ີ, ○ຶ, ○ື
右側にしっぽが付いているのがそれぞれ長母音符号です。
母音符号 ○ຸ, ○ູ
[u]も右側にぼよんと伸びているのが長母音符号です。
覚えにくい文字
出現頻度が低くてつい見捨ててしまう文字を拾っておきます。
ຄ [kh] ຕ [t] ຖ [th]
ຫ[h]との組み合わせ
子音字は基本的に1字1音ですが、次に示す6つの低子音字は ຫ[h] を前に置くことで高子音となります。この場合の ຫ[h] は高子音化のための記号と考えてよく、発音はされません。
なお、ນ [n] と ມ [m] はそれぞれ合体字となります。ລ [l] にも合体字があります。
なお、ນ [n] と ມ [m] はそれぞれ合体字となります。ລ [l] にも合体字があります。
〈低子音〉 | 〈高子音〉 | |
ງ [ŋ] | → | ຫງ [ŋ] |
ຍ [ɲ] | → | ຫຍ [ɲ] |
ວ [w] | → | ຫວ [w] |
ນ [n] | → | ໜ [n] (合字) |
ມ [m] | → | ໝ [m] (合字) |
ລ [l] | → | ຫຼ [l] (合字) |
ຫລ [l] |
二重母音と特別母音
ラオ文字は(タイ文字もおそらくそうでしょうが)母音符合がやっかいです。基本的なところは入門書に譲るとして、ここでは二重母音と特別母音について最後にまとめます。
*下の例では基音を ກ [k]、末子音を ນ [n] とします。
〈二重母音〉 | ||
音 | 末子音なし | 末子音あり |
i:a |
ເກຍ
ki:a |
ກຽນ
ki:an |
ɯ:a |
ເກືອ(ນ)
kɯ:a(n) |
|
u:a |
ກົວ
ku:a |
ກວນ
ku:an |
〈特別母音〉 | ||
音 | 文 字 | |
ay | ໃກ | kay |
ay | ໄກ | kay |
aw | ເກົາ | kaw |
am | ກຳ | kam |
参考:『ゼロから話せるラオス語』(前掲書)p.107
スマホの横位置に対応:
2013.10.20
母音符号などを追加: 2013.9.19
スマホ対応化: 2013.4.10
低中高子音字の表示を追加: 2013.2.11
初版: 2013.2.03
母音符号などを追加: 2013.9.19
スマホ対応化: 2013.4.10
低中高子音字の表示を追加: 2013.2.11
初版: 2013.2.03